AIM+電波妨害保護

電波妨害として知られる無線周波数GPS/GNSS干渉を撃退するには

Illegal jamming devices such as chirp jammer can interfere with GNSS signals and cause major havoc
Illegal jamming devices such as chirp jammers can knock out GNSS signals within hundreds of metres

セプテントリオのGPS/GNSS受信機の信頼性を確保する中心的な柱の1つはAIM+技術です。この高度干渉監視・回避の特許取得済み技術は、弊社の受信機1台1台に搭載されており、無線妨害に対する耐性、ならびに意図的なGNSSジャミングとスプーフィングへのセキュリティを実現します。

GNSS干渉は、本質的に低出力なGNSS信号が同じ周波数の他の無線信号によって凌駕されると発生します。このようなことは、GNSS受信機が他の電子デバイス(電波妨害防止ドローンと自己干渉のトピックについての記事もお読みください)、無線アンテナまたはモデムに近い場合に発生することがあります。地域で電波を発信しているアマチュア無線家は、意図せずGNSS干渉を引き起こすことがあります。干渉によって測位精度が低下したり、受信機がRTKやPVT(位置、速度、時間)をすべて失ったりするおそれがあります。

ごくたまに、無防備なGPS受信機の動作を妨害するために、意図的に干渉が引き起こされることがあります。違法なジャミング装置を使って半径100メートル以内のGPS受信機を停止させることができます。

 

Chirp jammer interferes with GNSS signals in a 400m radius. Left images: without AIM+  Right image: with AIM+ on
Chirp jammer interferes with GNSS signals in a 400m radius. Left images: without AIM+  Right image: with AIM+ on

GPS/GNSSジャミング装置

ジャミング装置は時々、道路通行料を避けるためにトラックドライバーに使用されています。このような(GPS)ジャミング装置は、トラックのGPS装置を無効化しますが、周辺の他のGPSデバイスにも影響を及ぼします。このようなジャミング装置は、ますます安い値段でインターネットから購入できます。 

GPS/GNSSスプーフィング

スプーフィングはGPS干渉を「スマート」な形にしたものです。スプーフィング攻撃中、第三者から送られた意図的に誤った位置情報のGNSS信号を受信したために、GPS受信機は誤った測位を報告します。スプーフィング の詳細とその対処方法をご覧ください。 

AIM+を使って、GNSS無線周波干渉を検出、軽減 

AIM+技術は、干渉を検出して無効化することで、設定の迅速化、ダウンタイムの削減、安全な運用を実現します。AIM+は、電波妨害やスプーフィングなど、単純な狭帯域干渉や、より複雑な広帯域干渉からも保護します。受信機のウェブインターフェースを使用すると、干渉のタイプとその原因を特定するために、スペクトル図表で干渉を分析できます。AIM+は、高度なGNSS信号発生器、Spirent GSS9000でもスプーフィングできません。現実的な出力レベルと信号内の実際の航法データにより、AIM+はその信号を「本物ではない」信号として識別できます。

狭帯域のGNSS/GPS干渉は電子デバイスが原因で生じることがあり、GNSS周波数帯のごく一部にしか影響しません。 狭帯域干渉の影響を軽減するため、3つのノッチフィルターを自動モードまたは手動モードのいずれかに設定できます。この3つのノッチフィルターは、干渉信号周囲の無線周波数スペクトルの狭帯域部分を効果的に除去します。アマチュア無線家に開放されているL2バンドは、このタイプの干渉には特に脆弱です。広帯域干渉の影響は、意図的な場合も意図しない場合も、WBI低減システムを有効にすることで軽減できます。WBIシステムは、従来使われていたパルスブランキング手法よりも効果的にパルス干渉源の影響も低減します。

パワースペクトル図表

GNSSメニューの「スペクトラム」ウィンドウでは、無線周波数スペクトルをモニタリングし、狭帯域干渉を打ち消すための3つの個別ノッチフィルターを設定できます。下図は、1227.60 MHzのGPS L2P信号があるL2周波数帯を示します。図に示すように、「Show table」ボタンをクリックすると、さまざまな周波数帯を表示できます。スペクトルは、受信機のアナログ・デジタル変換器の出力で得られたベースバンドサンプルから計算されます。

 

 

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Spectrum-analyzer-GPS-L2-Band-advanced-RF-interference-mitigation
The spectrum plot of the L2 Band shown in the Advanced RF Interference interface monitoring and mitigation software AIM+

 

ノッチフィルターの設定によるGNSS無線周波干渉の軽減

ノッチフィルターのデフォルトの自動モードでは、受信機は、干渉の影響を受けるスペクトル領域の自動干渉軽減を実行します。手動モードの場合、影響を受けるスペクトル領域は上の図の「Notch1」に設定されているように中心周波数と帯域幅によって指定され、ノッチフィルターによって効果的に除去されます。

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Notch-filter-to-mitigate-GPS-RF-interference
Configuring the first notch filter Notch1 at 1235 MHz - Advanced Interference Mitigation Software AIM+

 

上の図のように「Notch1」を設定すると、以下に示すようにノッチフィルター適用後 (After IM) のL2バンドが表示され、除去された部分を明確に確認できます。

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Spectrum-Plot-Notch-filter-to-mitigate-GPS-RF-interference-L2-Band
The spectrum plot for GPS L2 Band after applying the notch filter at 1235 MHz - Advanced Interference Mitigation (AIM+) in action.

 

広帯域干渉低減

GNSS信号の広帯域干渉は、軍用および民間の測距装置と通信機器によって意図せず生じることがあります。また、チャープジャマーなどのデバイスからの意図的な干渉源もあります。広帯域干渉低減システム(WBI)は、GNSS信号への両タイプの干渉の影響を軽減できます。

WBI低減の設定

広帯域干渉低減システムは、以下にで示されているように「on」を選択して有効にすることができます。

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Wideband-RF-Interference-Mitigation-filter-to-combat-GNSS-RFI
Select ‘on’ to enable Wideband Interference Mitigation, then ‘OK’ to apply the new setting. 

 

WBI低減機能使用時

下図に示されているGPS L1バンド干渉は、GNSSアンテナ信号を車載GPSチャープジャマーからの出力と組み合わせることで生じています。

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GPS-wideband-RF-interference-chirp-jammer-without-advanced-mitigation-AIM
Simulated wideband interference in the GPS L1 band using an in-car chirp jammer

 

下図に示されているように、WBI低減が有効になっている場合、干渉の影響は劇的に減少します。
 

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GPS-wideband-RF-interference-chirp-jammer-with-advanced-mitigation-AIM
Enabling WBI Interference Mitigation greatly reduces the effect of the RF interference caused by the chirp jammer. AIM+ in action.

 

その他:

GNSS受信機に組み込まれた技術関連